紙高33.9cm、全長514.8cm。交漉き料紙。巻子仕立て一巻。奥書「文正元年季春廿九日 金春竹田秦式部大夫 六十二歳 禅竹翁(花押)」。
六輪一露とは、金春禅竹により考え出された能および音曲・舞の理論体系。六輪とは寿輪(色心不二)・竪輪(位無上)・住輪(万曲之安所)・像輪(品々の物まね)・破輪(異相の風)・空輪(空々寂然)、一露とは六輪を貫く「精根の神」で利剣に象徴される。本書では六輪一露のそれぞれに、藤原定家仮託の歌論書『三五記』所載の和歌十体を配して説く。
金春宗家には八ヶ月前の寛正六年の奥書を持つ本(寛正本)も伝わるが、本文にはかなりの異同がある。六輪一露の図は金で描かれている。
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