花鏡
	縦30.2cm、横22.3cm。写本、一冊。縹色紙表紙。墨付三十一丁、間に遊紙一丁。奥に「昭和十六年春、予初めて之を見出でたる時は朽損甚だしく書冊の形を留むるさへ不可能かと思はれしが、工匠〈小倉潔〉君の努力によりて暫く千載の記念とするを得たり」と川瀬一馬氏が記すように、欠損甚だしい伝本に補修が施されているものであるが、永享九年（1437）の書写奥書を持つ最古の伝本。 　応永三十一年（1424）、世阿弥六十二歳の奥書に拠れば、『花鏡』は世阿弥自身が四十余歳以後老年までに体得したところを説いたものという。
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