| 奈良女子大学 奈良地域関連資料 |
---|
『三輪山縁起』 解説大神神社蔵 巻子装 本紙雲母ひき 裏打有り本紙法量 縦 29.5 横 723.9 三輪大明神は「常住不変の宝山」にあるとし、『日本紀』および「神官の先祖重代申伝」などを引用して三 輪山鎮座の諸神の縁起を述べるものである。
内容としては、まず、当山の麓には八所権現があり、三輪山の北は伊弉諾・伊奘冉を祭神とする桧原大明神
が金剛界大日であり、南の大神大明神は胎蔵界大日である。
本縁起が両部神道の教義を踏まえたものであることは冒頭から明らかである。 巻末には天文20年(1551)卯月十九日とあり、「和州三輪馬場邑」とあるが、この村は大神神社前に位置し、 神主らの居住地高宮と街道および大御輪寺に接した集落からなっていた。
なお、本縁起の異本として『三輪叢書』・『神道大系』所収本がある。ともに転写本で字句には若干の相違
があるが、年紀はいずれも同じである。
|
元興寺文化財研究所 高橋平明 |
Copyright (c) 1996-2014 大神神社, 奈良女子大学学術情報センター |