阪本龍門文庫善本電子画像集  古写本の部
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詠歌大概

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目録番号121
書名詠歌大概
写刊別
冊数1帖
書写(刊行)年代天正11年(1583)奥書
資料サイズ縦16.7cm×横17.3cm
備考列帖装 枡型本

 『詠歌大概』は藤原定家の歌論書。後鳥羽院の皇子の梶井宮尊快親王に与えられたものと伝えられており、承久3年(1221)以降の成立とされている。
 和歌の初学者に対して、和歌の詠み方を簡潔に記した漢文体の部分と、『定家八代抄』からさらに精選した103首の秀歌撰である「秀歌之体大略」とからなる。
 室町後期以降、『百人一首』『未来記・雨中吟』とともに「三部抄」の一として、歌人たるものの読むべき基本図書であった。

 本書は、奥書に「此一冊者、下間侍従法眼房/御所望に依り老筆を染むる者也。/天正十一年季秋下旬/紹巴(花押)」とあるように、天正11年(1583)9月下旬、連歌師の紹巴が、本願寺家老の下間侍従法眼に書き与えたもので、筆跡からも紹巴の自筆と思われる。
 手猿楽者として知られる下間少進は、本書の奥書の年号の前年の天正10年に法印に叙せられており、奥書に見える「下間侍従法眼」とは別人であろうか。

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