阪本龍門文庫善本電子画像集 古写本の部 |
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行阿(生没年未詳)、俗名源知行が、出家した貞治2年(1363)以後に著した仮名遣い書『仮名文字遣』の1写本。『仮名文字遣』は、藤原定家が『下官集』で示した仮名遣いを受けてそれを増補したもの。 広く行われ、伝本は、写本と刊本にわたって多い。それらについては、重松信弘「「仮名文字遣」の原始形に就いて」(国語研究3-11 1935.11)をはじめとして、石川直美・今野真二・木村晟・遠藤和夫・長谷川千秋等の諸氏によって解明されつつある。本文庫本は、本奥書に「写本者広本也今抽」とあって抄録本である。 なお、室町時代における『仮名文字遣』と連歌師との密接な関係が指摘されている。その名前から見て、書写者宗順(表紙右下方に本文と同筆で「釈惣順」と朱書)は或いは連歌師か。 木藤才蔵『連歌史論考』(増補改訂版 明治書院 1993・5)や『連歌総目録』によれば、宗順という連歌師が複数見える。
綴葉装。原装薄茶色表紙。縦19.0cm×横15.7cm。表紙左四分の一ほど切り取られて無し。 |
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