阪本龍門文庫善本電子画像集 古写本の部 |
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原装水色地金襴草花模様表紙。外題、金泥花模様原題簽に「公事根元抄 上(・中・下)」と墨書。見返し卍繋ぎ模様金箔。本文斐紙。内題「公事根元抄」。字面高さ24.3cm。巻上53丁、巻中47丁、巻下38丁。極彩色の画を見開きまたは半面に収める。巻下第27丁鋭利な刃物で切り離す。文字のある半葉のみ存す。綴じ目に残る紙片に紺色の色が残るところを見ると、裏半葉を失うか。半面11行。 本書は正月元旦の四方拝から年末の追儺までの年中行事について解説した書である。撰者については二条良基説もあるが、一条兼良(1402〜81)説が有力とされる。 伝本については調査を遂げていないが、国立公文書館内閣文庫蔵江戸初期写本には次のようにある。 応永廿九年正月十二日書之■/内大臣/編為嬰児也外見有憚 また、同蔵江戸後期写本には次のようにある。 右根源抄依柳営御所望後成恩寺/関白兼良公于時生年十九歳不披見/一紙之書被書進之 云 々 本文庫も他に元和中古活字版を所蔵する。 本文庫写本は、漢字に多く平仮名の振り仮名を付しており、濁点もよく打っていて、故実読みとして注目されるものも少なくない。また、字種と字形の違いによる「つ」の仮名の使い分けには一定の傾向があるか。ただし、本文は諸本により異同が少なくないから注意をする必要がある。 本書の成立に『年中行事歌合』がかかわっていることが指摘されている。注釈書には、松下見林(1637〜1703)撰の漢文注『公事根源集釈』(元禄7年刊)から関根正直『 修正 公事根源新釈』(1927.4 六合館)までいくつか撰述されている。 | ||||||||||||||
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