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阪本龍門文庫善本電子画像集  自筆本の部

源氏物語湖月抄
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目録番号569
書名源氏物語湖月抄
写刊別
冊数4冊
書写(刊行)年代宝暦8年以前書き入れ
資料サイズ縦27.6cm×横19.3cm
備考整板、袋綴装。
賀茂真淵書き入れ本


 江戸時代を通じて最も流布した源氏物語の注釈書である、北村季吟の『源氏物語湖月抄』に、賀茂真淵が書き入れをしたもの。各冊の裏表紙見返しの識語によれば、真淵の手沢本のうち、末摘花・葵・賢木・花散里・蓬生の5冊が源磐村――源顕祖――河辺一也と伝えられたいう。
 現在、末摘花は所在不明。真淵の書き入れは尋常のそれとは異なり、『湖月抄』の注釈部分を大胆に墨で罰点を付けたり貼り紙をしたりして、自説を欄外などに墨や朱で書き込んでいる。同じく真淵書き入れの『湖月抄』(50冊、桐壺・総角を欠く)が国文学研究資料館寄託田安家伝来書の中に現存するが、そちらは訂正部分に丁寧に貼り紙がなされ、書き入れの文字も丁寧である。その内容は龍門文庫本の訂正後の形にほぼ合致する。
 田安本は真淵の源氏物語注釈書『源氏物語新釈』の原本に当るとされるが、龍門文庫本はその草稿に当るものと思われる。田安家本は宝暦8年(1758)4月に書き終えたと自筆の識語にあるので、龍門文庫本はそれ以前の成立。「花散里」の外題題箋には、これも真淵自筆で「辰 再校了」とある。   

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