奈良地域関連 電子画像集 学術情報センター
阪本龍門文庫善本電子画像集

水 鳥 記
小 画 像

  

大 画 像

  


目録番号827
書名水鳥記
写刊別
冊数3冊
書写(刊行)年代寛文・延賓頃
資料サイズ縦27.2cm×横18.7cm

 仮名草子。整版、大本、上中下3冊。縦27.2cm、横18.7cm。絵入。下の巻末に「三月吉日」「松会開板」。本書が刊年を刻さないことについては、旧蔵者水谷不倒氏の貼紙(画像参照)に言及がある。
 川瀬一馬氏が、「寛文・延宝頃」と推定されたのは、挿絵が菱川師宣画と見られることにもよるか。
 なお、別に「京寺町二条下ル町中村五兵衛」刊の2冊本が伝存し、それには、「寛文七年五月吉日」の刊記がある。田安家・中川徳基・関根只誠・水谷不倒旧蔵。

 書名の「水鳥」は「酒」字を偏「水」と旁「酉(鳥)」に分けたもので、酒、酒飲みを意味する。
 慶安元年、大上戸の江戸大塚の地黄坊樽次が、これも酒量を自慢する武州川崎の池上太郎右衛門尉底深に、大師河原で酒戦をしかけ、勝ちを収めるまでを、軍記物語などのパロディーによって、滑稽に描く。
 作者とされる茨木春朔は、実際に池上右近幸広と酒戦を行っていて、いまにそのゆかりの大杯などが伝えられている。その体験を地黄坊に仮託し、創作したのである。


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