一条兼良(1402〜1481)による中世の『源氏物語』の注釈書。応仁の乱を避けての奈良滞在中に書かれ、文明4年(1472)成立した。
龍門文庫本は、その6年後の文明10年(1478)に、後土御門天皇の勅命に応えて書写されたもので、第1冊(巻1・2)は、兼良の自筆である。
貞治4年(1365)奥書のある『紫明抄』5冊と共に同じ木箱に収納されている。
全巻がオフセットの『龍門文庫善本叢刊別編2』(1986)で、また巻1・2の1冊だけはコロタイプの『龍門文庫複製叢刊13』(1977)で公刊されている。 |