元興寺蔵の、板絵智光曼陀羅(このWWWで公開させていただいているので比較してみてください)や軸装智光曼陀羅(室町時代)などの通常の智光曼陀羅とは、大きく絵柄が異なっています。
智光曼陀羅の原本が失われたことを歎いた袋中上人の夢に「智光所感の曼陀羅は奈良の民間にある」ことが示され、弟子の善曳がそれを奈良の質屋で見出したとされています。
図像としては大きく拡がる池水の中に楼閣に納まるのではなく、蓮華座上に阿弥陀三尊がまさに前方に歩みだすかのように描かれ、さらに下部には聖衆が来迎するありさまが描かれます。
これらのことから法然の流れを汲む専従念仏集団の政策への関与を考える立場もあります。