絹本著色智光曼陀羅(異相本)

116.8cm×55.7cm 寛永四年(1627)

 曼陀羅の裏書きによれば、「良桂貞春信女」という名の女性信徒の願主によって、袋中上人の智光曼陀羅のについての解説書『浄土最初曼陀羅略記』が書かれた寛永二年(1625)から時を経ずして制作された絹本の彩色曼陀羅です。
 亡き父の三十三回忌の追善供養と母親の生前の(逆修)供養法要のために寄進されたもので、法林寺二世良仙によって執り行われた開眼供養の法会の場には袋中上人も同席したことがわかります。
 絵師は「南都竹藤兵衛」とされています。絵柄は後の版木本とほぼ同じですが、よく見ると細部に少し異なっているところもあります。