刺繍阿弥陀三尊来迎図
檀王法林寺所蔵
(京都国立博物館寄託)
絹本刺繍 縦84.4cm×横34.4cm 室町時代14~15世紀
中央に阿弥陀如来、その左下に合掌する勢至菩薩、右下手前に蓮台を持つ観音菩薩の三体を総刺繍で描いた繍仏(しゅうぶつ)作品である。周囲の表装も刺繍でなされており、制作当時の姿をそのまま伝える。阿弥陀如来の螺髪(らほつ)や両菩薩の髪ほかには、髪の毛が用いられている(髪繍=はっしゅう)部分があるという。裏書きによって、彦根藩家老の木俣守安の念持仏で、没後寛文十三(1673)年にその内室によって奉納されたものと知れる(奈良国立博物館特別展「糸のみほとけ」2018展示図録ほかを参照しました)。