高津柿本神社所蔵資料電子画像集 |
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柿本社の正一位上奉に関する文書。宣命、位記、官符、および位記写、官符写の五点がひとまとまりにされている。 1、宣命 装丁:一枚物 数量:一紙 料紙:黄紙鳥の子 寸法:縦36.5×横54.5cm 享保八年(1723)二月一日付。柿本人丸の一千年忌に当たり、柿本神の霊徳の高さに比して神位が低いので、このたび正一位を上奉する という内容のものである。使者として卜部兼雄の名が見える。この贈位によって、時の霊元天皇は「天下平安」「詞林繁栄」「天皇朝廷を 常磐堅磐(ときはかんは)に護る」ことを祈請した。 2、位記 装丁:巻子 外題:なし 数量:一巻 料紙:藍紙鳥の子 寸法:縦26.2×横141.5cm(表紙:縦26.2×横22.6cm) 享保八年二月一日付。柿本社に正一位を授けた位記。「天皇御爾」印の捺された実物。柿本神への贈正一位に際し、正式の「位記」は当社 (石見国高津柿本神社)に奉られ、播磨国明石の人丸神社には「女房奉書」が奉られた。(小倉嘉夫氏・神道宗紀氏論文「柿本人麻呂と神位 神号―月照寺蔵『神号神位記録』を基に―」(帝塚山学院大学日本文学研究 第36号)参照) 3、官符 装丁:一枚物 数量:一紙 料紙:奉書紙 寸法:縦37.6×横62.4cm 享保八年二月一日付。石見国高津の柿本社に位記が勅使により奉られた際の太政官符。「天皇御爾」印あり。 4、位記写 装丁:巻子(未装丁) 数量:一巻 料紙:斐楮交漉 寸法:縦36.1×横196.3cm 位記(2)の写し。漢文の部分にすべて返り点、送り仮名をつけて訓読してある。 5、官符写 装丁:一枚物 数量:一紙 料紙:礼紙 寸法:縦36.1×横45.4cm 官符(3)の写し。漢文の部分には返り点、送り仮名の訓点があり、さらにふりがなをふってある字もある。 解説:奈良女子大学大学院博士後期課程 大石真由香
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