高津柿本神社所蔵資料電子画像集 |
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外題:なし 内題:柿本大明神社奉納和歌 数量:写本一冊 寸法:縦24.1×横18.2cm 装丁:列帖装 表紙:白地金唐草文 料紙:鳥の子 見返し:金泥 丁数:全十八丁 一面六行等 |
奥書に「享保八癸卯天暮春吉辰/執毫 三思堂」とある。序文はないが、奥書の後に同筆と思われる字で跋文が記され、奉納の由来を述べる。
それによるとこの奉納和歌は、柿本人麻呂一千年忌に際し遠近の人々が和歌を手向けるのを受けて、「神垣のほとりに住て常に御恵みをうくるのみかは」
として地元高津の人丸寺(真福寺)の僧・快信を中心とした和歌を嗜む人々が奉納したもの。 前半は春、夏、秋、冬、恋、雑に部立し、各六首から成る。巻頭歌は「立春/隔なき春の霞も今朝はまづ和歌の浦より立そめにけん/沙門快信」。 巻軸歌は「祝言/時を得て千年にあへることぶきを祈るも神のめぐみ成らん/志賀氏政敏」とあり、柿本人麻呂一千年忌を催したことへの寿ぎとなって いる。 後半は、前半とは独立した形で「郭公」歌が十四首載る。巻頭歌「けふも見つ明日も又みんたち花の匂ひもふかく啼時鳥/藤原氏吉弘」、巻軸歌 「待侘し千々の恨も一声の初音にはれし山ほととぎす/中嶋氏時知」。計五十首。 解説:奈良女子大学大学院博士後期課程 大石真由香
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