奈良女子大学学術情報センター
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萬躾方之次第


本  文

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  翻刻文の作成については、本学文学部日本アジア言語  
  文化学講座学生天野波留子さんの協力を得ました。   

解 説

 3冊本。写本。戦国時代の武将小笠原長時(1514-83)と嫡男貞慶、長時末子小池貞成らの口伝をまとめた小笠原家の家伝礼式書。作者は中巻冒頭部分によれば長時の孫にあたる人物。また下巻に年号の書き方の例として「享保十五」(1730)とあることから享保年間の書物と推察される。
 3冊本は二部構成。
 上巻は弓馬礼式の家伝が説かれる。巻末に長時の名が記され、主君に仕える武家の作法を家伝として書き記すとある。
 中・下巻には、上巻を下敷きとして編者・作者による解説や加筆が加えられている。小笠原家が礼法の家として成り立ってきた来歴が記された中巻冒頭は、本書執筆の動機を記した部分であり、長時らの家訓をまとめ小笠原の家を辿りながら「当世」に適した礼法を目指すとある。
 文中にしばしば「当世と違ひ」などの言い方が多用されている。年中行事、式次第などについて図入りで解説されている。連歌、座頭茶、猿楽などについての解説されている。下巻に「嫁取りの次第婿入りの事」「懐妊の帯の事」「食始の事」「髪置の事」「袴着の事」など婚礼、出産、育児についての吉凶が記されている。

          立命館大学講師  長 志珠絵


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