奈良女子大学学術情報センター |
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本 文 |
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解 説題簽なし、見返し題「女教補談嚢」(ぢょきょうふだんぶくろ)、村井淇水による序。 33丁。奥付によれば、刊記は宝暦4(1754)年、書肆は京都の菊屋七郎兵衛、彫工は藤 村善于右衛門。画は鈴木春信(『女子用往来刊本総目録』大空社、1996)。
序によれば女教訓書は多くあるが、児女も聞き分けられる文章を目ざすとある。体裁は 、3丁目より本文と頭書による二段組だが、挿絵と文章が相互に入れ替わる。首部は「 何某大納言より息女の文を遣わす・・・」図と解説、「貞の心に関する・・・」図と解 説。本文は前半は、「何某大納言殿御消息」、後半は箇条書による女訓。頭書の題材は 「女子之三習」(書・縫・読)、「婦人之評林」、百人一種、、「七夕祭」の飾り方、 「産帯秘鑑」、「懐胎十月心得」「ふみつくし」(女筆の手習い)、「女中やまと言葉 」、「祝言千代見草」他巻末には、願掛けの成就・不成就の日程表、相性見の表、干支 図、小笠原流折形、手掛熨斗図、進物積よう図、などが掲載されている。多様な要素を あわせもった百科全書的な内容の女訓書といえる。
立命館大学講師 長 志珠絵