奈良女子大学学術情報センター
 所蔵資料電子画像集   女性関連資料 

女 今 川 寳 種

本 文
解 説

 題簽「<教>女今川宝種 全」、題簽の位置は中央、枠つき。本文20丁。見返り題の書 名は「女今川教草」。刊行年は不明、奥付によると書肆は、京都の舛屋堪兵衛となって いる。「女今川宝種」(おんないまがわたからぐさ)は『国書総目録』によれば、他に 江戸の西村源六、京都の西村一郎右衛門による安永3年版があり、版元は江戸となって いる。女今川系の女性向け教訓書の典型例の一つである。
 本資料の体裁は、本文と頭書との二段組を取っている。本文は、「女今川」。4行×6 字の漢字仮名混じり文、手習いの手本用として用いられたものと思われる。付録の部分 でもある頭書は、絵入りの物語や教訓書の一節、語彙集、図録が掲載されている。以下 挙げておくと、源氏物語の浮橋(1〜4丁)、「女たしなみ草」(4〜9丁)、百人一種( 12丁〜18丁)、図(小笠原流熨斗図解)(18丁)、掛香の名方(19丁)、図解(厨子黒 棚等)(20丁)となっており、上段部分が一般教養的な内容を伴う読本であったことが わかる。

          立命館大学講師  長 志珠絵


Copyright (C) 1998-2014 Nara Women's University Academic Information Center. All rights reserved.