奈良女子大学学術情報センター |
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女 今 川 操 文 庫1843刊
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解 説13丁、26cm。内扉「幼女必読/女今川操文庫/書肆 松栄堂壽拝」。31丁。刊記は「天保一四(1843)癸卯七月」。書肆は、「江戸 須原屋茂兵衛 山城屋佐兵衛 須原屋伊八 岡田屋嘉七 出雲寺萬次郎 山崎屋清七 大坂、播磨屋理助」。
「女今川」は教訓文章による女性向け手習い手本である。
女子用の往来物の代表的なものの形式を備え、本文にあたる下段の部分では、半丁で五行×八字、又は十字の草書体の文字を配する。
これに対して上段は、挿絵入りで「女中大和詞」「産前産後教草」別の書物が配され実用書としての内容をも備えた「女大学宝箱」の形式をとっている。
『往来物総目録』にも天保14刊、播磨屋理助らによる同書の記載があり、書名は「幼女必読女今川操文庫」とされている。
参考文献 中野節子『考える女たち』(大空社、1997)
立命館大学講師 長 志珠絵