国際シンポジウム「21世紀におけるコミュニティ、福祉、社会技術」を開催しました(1月25日)

 2019年1月25日に、本学大和・紀伊半島学研究所なら学研究センターは、本学アジア・ジェンダー文化学研究センター、社会連携センター、研究企画室と共同主催し、国際シンポジウム「21世紀におけるコミュニティ、福祉、社会技術」を世界遺産東大寺境内にある、東大寺総合文化センターで開催しました。
 大和・紀伊半島学研究所は、大和・紀伊半島地域を自然・歴史文化・現代社会の観点から総合的に研究を行いその成果を普遍性につなげる拠点として2018年3月に設立されました。同研究所なら学研究センターでは、同地域に蓄積された歴史・文化・自然・技術を再評価し、その地域に見合った課題解決・地域振興の手法を地域の人々と共に研究実践する文理融合型の学際的研究を行っています。今回は「21世紀におけるコミュニティ、福祉、社会技術」と題して奈良のみならず世界各地におけるその地域に蓄積された歴史・文化・自然・技術を元に福祉の観点に重きをおいたシンポジウムとして開催しました。
 持続可能な開発目標(SDGs)に象徴される現代社会の様々な課題解決のためには、科学技術の導入や開発が不可欠です。しかし、世界各地にはその地域固有の文化・歴史・社会状況が存在し、それが一律に進まないことも周知の通りであり、各地域の文化に根ざした社会技術の開発が求められているのが現状です。
 本学では、科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター(RISTEX)の研究助成を受け、国内(富山・東京・奈良)、海外(台湾・トルコ・バングラデシュ)から、公衆衛生看護学、老年工学、社会学、農業経済学、ジェンダー研究、情報理工学、文化人類学、さらに高齢者をステークホルダーとするベンチャー企業家など多彩なメンバーを迎え、このテーマについて、主に非西欧地域の現状や課題、知見を共有しました。分野や立場の異なる報告者が揃いながら、話題は常に「社会と技術」のあるべき姿へと収斂していくことが興味深く、最後の全体討論では、フロアからも熱心に質問が出され、それについて登壇者から次々と発言が続く様子もみられました。
 本学では、これからも多くの組織や人々と連携しながら、こうした社会技術と社会課題の解決に向けた議論や実践を続けていきたいと考えており、今回のシンポジウムは国際的なネットワークへと広がっていくことの一つにふさわしい内容となり、幕を閉じました。

パネルディスカッションの様子        
シンポジウム終了後に撮影した全体写真