本学の教員と学生が携わる高エネルギー加速器研究機構(KEK)における新しい電子・陽電子リング加速器の実験でビームの衝突を確認しました(3月25日)

 KEKは、2010年から工事を開始し、本年3月11日に竣工したBelle II測定器の中心にビームを導く本格運転を開始したSuperKEKB電子・陽電子加速器において、3月25日に陽電子と電子が衝突した事象を確認したことを3月25日に発表しました。
 この電子・陽電子加速器の実験には本学の自然科学系・物理学領域の林井教授・宮林教授ら高エネルギー物理学研究室のメンバーも主要な共同研究者として携わっており、Belle II測定器で発生した粒子のエネルギーを測定する電磁カロリメーター部は同研究室の大学院生が製作したモニターシステムを装備してビーム通過時の放射線レベルも測定しています。
 SuperKEKB加速器を用いたBelle II実験は、B中間子の崩壊過程におけるCP非保存(粒子・反粒子の物理法則の違い)を測定したKEKB加速器を用いたBelle実験の後継プロジェクトです。これまでの40倍のビーム輝度で大量データを蓄積することによりCP非保存の精密測定や稀崩壊過程の探索を行い、新しい物理法則の兆候を探すことを目的としており、その目標に向かって、大きく一歩を踏み出したと言えます。

【3月25日 大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構 発表内容】
https://www.kek.jp/ja/newsroom/2019/03/25/2030/ (日本語)
https://www.kek.jp/en/newsroom/2019/03/25/2030/(英語)