阪本龍門文庫善本電子画像集
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とりかへばや物語
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目録番号077
書名とりかへばや物語
写刊別
冊数2冊
書写(刊行)年代江戸初期写
資料サイズ

 平安後期物語。作者不詳。『無名草子』『風葉和歌集』によると、元来、原作『とりかへばや』と、その改作本『とりかへばや』とがあったが、原作はすでに散逸してしまい、現存するのは改作本である。

 諸本は、伊達家旧蔵本などの甲類本、小野文庫などの乙類本、いわゆる浚明本系統の本文をもつ丙類本、平出本を代表とする丁類本の4系統に分けられる。龍門文庫蔵の本書は、甲類本系統のうちの宮内庁書陵部4冊本に極めて近い本文をもつ1本である。なお、本書は山岡浚明の識語を記した付箋を有するが、これは本文とは別筆であり、後人の加筆である。

 『とりかへばや』は、男女の性転換を素材とする斬新な発想の物語である。現存本には、特に『夜の寝覚』の影響が認められ、作者は『源氏物語』『夜の寝覚』を中心とする先行物語に通じていた人物と思われる。

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