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假名遣秘抄

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目録番号168
書名假名遣秘抄
写刊別
冊数1帖
書写(刊行)年代文明12年(1480)奥書
資料サイズ縦19.0cm×横15.7cm
備考宗順筆

 行阿(生没年未詳)、俗名源知行が、出家した貞治2年(1363)以後に著した仮名遣い書『仮名文字遣』の1写本。『仮名文字遣』は、藤原定家が『下官集』で示した仮名遣いを受けてそれを増補したもの。
 広く行われ、伝本は、写本と刊本にわたって多い。それらについては、重松信弘「「仮名文字遣」の原始形に就いて」(国語研究3-11 1935.11)をはじめとして、石川直美・今野真二・木村晟・遠藤和夫・長谷川千秋等の諸氏によって解明されつつある。本文庫本は、本奥書に「写本者広本也今抽」とあって抄録本である。
 なお、室町時代における『仮名文字遣』と連歌師との密接な関係が指摘されている。その名前から見て、書写者宗順(表紙右下方に本文と同筆で「釈惣順」と朱書)は或いは連歌師か。
 木藤才蔵『連歌史論考』(増補改訂版 明治書院 1993・5)や『連歌総目録』によれば、宗順という連歌師が複数見える。

 綴葉装。原装薄茶色表紙。縦19.0cm×横15.7cm。表紙左四分の一ほど切り取られて無し。
 外題、直接「仮名遣秘抄」と墨書。ただし左部分一部無し。糊離れ。紙撚二箇所で仮綴じ。内題無し。字面高さ17.0cm。半面6行。全23丁。朱合点、朱濁点。朱振り仮名稀。本奥書の擦消部分は「三州真福寺□範」。
 大野晋「仮名遣の起源について」(国語と国文学 1975.12)参照。


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