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阪本龍門文庫善本電子画像集


和 玉 篇
小 画 像

  

大 画 像

  

目録番号172
書名和玉篇
写刊別
冊数3冊
書写(刊行)年代室町中期
資料サイズ縦27.3cm×横21.5cm
備考袋綴

 室町時代前期に成立し、江戸時代まで広く行われた漢和辞書。漢字の音訓を調べるための辞書で、部首配列になっている。中国の『玉篇』(梁の大同5年(543)に顧野王が編纂した『玉篇』は早く亡失し、宋代に編集された『大広益会玉篇』が行われた)に対して命名されたものと見られるが、直接には先行の漢和辞書『字鏡集』を簡略にしたものと見られる。

 川瀬一馬博士は諸本を8類に類別し、当該本を第四類ロ種本の1本としている。3巻仕立てで、上巻は日部から魚部までの32部、中巻は虫部から食部までの74部、下巻は禾部から酋部までの203部で、第四類本である。その中では、巻上の「日一」「月二」に次いで「肉三」を立てていて、改編本(ロ種本)である。室町中期の書写にかかり、諸本の中では古い写しである。漢字の右傍に朱筆で音を示し、漢字の下に墨筆で和訓を示す。新装茶色表紙(縦27.3cm×横21.5cm)。外題、川瀬博士筆にて直接「和玉篇(上) 室町中期写 一馬題」と墨書。六角朱印記「一馬」あり。内題なし。字面高さ21.5cm。半面6行、6段。巻上、目録1丁、本文65丁、巻中、目録2丁、本文63丁、巻下、目録3丁、本文52丁。尾題「□玉篇(下)」。本書の和訓には、「ヲニアライ」(儺)「カヒテ」(楓)「アマツサイ」(□)「ネウハチ」(□)「ミヽクシリ ニヽカキ」(□)「ミラム ニラム」(睨)「タマリミツ ニハタミツ」(□)「ハリ」(溲)「ネツミ」(□)「ネスナキ」(□)「眉ヲシマムル」(□)「ヒハヽユシ」(鹹)など注目される言語事象が少なくない。
 なお、本文庫には第四類イ種本の室町末期写本存巻上・中、慶長10年・同15年・同18年各整版も所蔵される。
 川瀬一馬『古辞書の研究』(大日本雄弁会講談社 1955・11)、前田富祺「「延徳本倭玉篇」について」(本邦辞書史論叢 三省堂 1967・2)、山田忠雄「延徳本倭玉篇と音訓篇立・世尊寺本字鏡」(同前)参照。

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