阪本龍門文庫善本電子画像集  古写本の部
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春日社家記録
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目録番号206
書名春日社家記録
写刊別
冊数1冊
書写(刊行)年代室町末期
資料サイズ縦25.0cm×横19.1cm
備考 

 春日社の社家の記録。見返しに本文別紙の楮紙が貼り付けられ、「清祓事/神殿御灯呂懸落御事/放氏事/神木御入洛并御遷座事/社頭并興福寺閇門事/神主正預職兼帯事/正預神主職兼帯事/ 正預若宮神主職兼任事/権官社務代勤仕事/朔且冬至事/着到事/神人等訴訟之時清祓社家支配事」という目次がある。この項目に類聚して記録している。『国書総目録』には龍門文庫本のみ載る。 外題中央に「春日社家記録」と直書。内題、見返しに「春日社家記録」。66丁。毎半葉10行。懐徳堂門人伊藤介夫の「有不為齋文庫」旧蔵。
 春日社に関する古記録類を集大成した『古今最要抄』の第六に「当社御造替事始并年記事造国司事/神殿御灯呂懸落御事/放氏事/神木御入洛并御遷座事/寺社閇門事/神主正預職兼帯事/ 正預神主職兼帯事/正預若宮神主職兼帯事/権官社務代勤仕事/朔且冬至事/着到事/神人等訴訟時清祓物社家支配事」(国立公文書館内閣文庫蔵)がある。目次にある「寺社閇門事」は、 「●社頭并興福寺閇門事」と書き入れられているのみで、本文がない。挿入で「奥ニ有」と記述され第六末尾に記されている記述や、書き入れがなされている記述が『春日社家記録』の記述と一致する。 内閣文庫蔵『古今最要抄』第六の「神木御入洛并御遷座事」では建暦三年から文永元年の記述が遷座・帰座の年月日のみになり、建治元年から寛正五年までの記述はなく、「一 此間九枚入へし」という書き入れがある。 『春日社家記録』の建治元年から寛正五年までの記述は九枚である。
 「神木御入洛并御遷座事」は「強訴の事例を網羅した史料」として指摘されており、「「神木御動座度々大乱類聚」の翻刻と紹介」(『早稲田大学高等研究所紀要』3、2011年3月)に「各記録における強訴先例収集状況一覧」がある。  「龍門文庫蔵『春日社家記録』「神木御入洛并御遷座事」をめぐって」(礪波美和子、『叙説』40、2013年3月)に翻刻紹介した。
 東京大学史料編纂所ホームページによると、春日大社所蔵(社一六七_)に『古今最要抄』全八冊があり、第十(内閣文庫本欠)に「清祓事」がある。 ただし、「全体に虫損甚しく、開けない箇所があり」、明治三十九年謄写は第十を収録していないとのことで、未見(第六も「後半撮影不能」)。


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