阪本龍門文庫善本電子画像集
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魚太平記
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大 画 像

目録番号823
書名魚太平記
写刊別
冊数1冊
書写(刊行)年代延宝9年刊
資料サイズ縦26.5cm×横18.3cm
備考袋綴装

 整版 袋綴装 縦26.5cm 横18.3cm 延宝9年刊。縹色紙表紙。原装。
 外題「魚太平記 全」(左肩、刷り題箋)。内題「魚太平記」。刊記「延宝九辛酉歳五月中旬 二条通丁子屋町岩津喜兵衛開板」。
 仮名草子。異類合戦もの。軍記物語の『太平記』『平家物語』の世界を、河魚と海魚の合戦の世界に移し替えたもの。

 嘉霊二四の年癸丑のした(鰈・螺・水の門・牛の舌のもじり)、鯉山城守源味吉(あじよし)が淀川河口の浪の花見に出かけた折、鯛播磨守平骨堅(ほねかた)の郎等が狼藉し、かえって打擲された。その恥辱を払さんと鯛は海魚に呼びかけ軍勢を催す。
 一方、鯉も鮭越後守・鱒越前守に援軍を乞い、明々後日開戦と決まるが、鵜首(うのくび)長門守喉広(のどひろ)が近隣の漁師が合戦の最中に一匹残らず捕らえんと計画している(漁父の利)と告げ、双方和睦し河海泰平となった。

 天理図書館蔵写本によれば、尾張藩医小宮山道休(「自休」の誤りか)作とある。当延宝9年刊本は寛文頃『河海物語』の名で出版されたものの改題本と考えられている。

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