多武峯縁記

巻子装。一軸。17世紀。
 『多武峯縁起』の詞書のみを記したもの。
 箱表書に後桂蓮院宮真筆とある。後桂蓮院宮は、後水尾院の第十七皇子、青蓮院尊証法親王(1651〜1694)のこと。
 巻尾には、「右御作者一条殿禅閤兼良公御自筆也」と識語があり、一条兼良自筆本として伝わる絹本『多武峯縁起』を転写した旨がわかる。
 また、天正十三年(1585)六月七日に正親町天皇に『多武峯縁起』を叡覧した際のことが記されている。
 本文は、絹本『多武峯縁起』の詞書にほぼ一致するが、第六章に、他本にはみられない詳細な傍注が付されているのは注目される。
  多武峯縁記
 
 

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