高津柿本神社所蔵資料電子画像集
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冷泉為村百首和歌



外題:なし(「百首和歌」と墨書した包紙に包む)
内題:巻頭に「秋日詠百首和歌」
数量:写本一巻  寸法:縦32.7×横845.5cm
装丁:巻子(軸なし)  表紙:なし  料紙:楮紙
 巻頭に「秋日詠百首和歌/左近衛権中将藤原為村」とあり、巻末に「右柿本社法楽百首/和歌懐紙一巻[従七月廿八日/到十一月十日]/ [毎日/詠之]依心願也/元文元年十一月十一日/得幸便納于石見國/柿本社翌年四月(花押)」とある。元文元(1736)年七月二十八日から 十一月十日にかけて毎日一首ずつ、計百首を詠じたものを、翌元文二年四月に幸便を得て、この高津柿本神社に奉納したものであることが分かる。 筆跡は冷泉為村の自筆である。詠者・為村(1712―1774)は江戸時代中期を代表する公家歌人であり、享保六(1721)年に霊元上皇から古今伝授を 受けた。烏丸光栄、三条西公福らにも師事し、また関東の武家を中心に多くの門弟を指導して冷泉門の拡大に大きく貢献した。
 この百首和歌は、「春二十首」「夏十五首」「秋二十首」「冬十五首」「恋十首」「雑二十首」で構成され、各歌の歌題はない。歌は二行書き。 巻頭歌は「雲こりし雪げのこらで出る日のたかつの山に春は来にけり」、巻軸歌は「さかえこし代々に数そふ言の葉も猶つきせじな道のゆく末」。

解説:奈良女子大学大学院博士後期課程 大石真由香

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