阿弥陀六地蔵十羅刹女像図

西寿寺蔵

絹本著色 101.0X40.4p

  画面上方には森厳な霊山が金泥で描かれる。その中から踏割蓮華座に立ち、来迎印を結ぶ阿弥陀如来が雲に乗り飛来する。中段には六体の地蔵。それぞれ幡や錫杖や宝珠など、異なる持物を手にする。虚空を浮遊する六地蔵の下、舞台上には十羅刹女がいる。十二単衣を着し、こちらもそれぞれ独自の宝物を持つ。阿弥陀・六地蔵・十羅刹女が向かうのは、画面向かって右下。ここには頭巾を被る老女が合掌して座す。本図は、この老女の往生を期して、聖なる者たちが参集した場面を描いたものであろう。一図のなかに多数の尊像を描く、他に類例のない、貴重な遺品である。
  画面右上に色紙型があり、そこには如教という行者が夢みた場面を描いた旨が墨書される。これが記されたのは徳治二年(1307)五月。本図の制作時期を考える上で指標となる。また表具裏の貼紙には、恵心僧都源信の姉安養尼が感得した場面を描いたとの伝説が付記される。後代には、画中の老女は安養尼とみなされて、多くの女性の信仰を集めていたらしい。
  本図はもと南山城の海住山寺に伝来。寛永七年(1630)西寿寺開山の袋中良定(1552−1639)により西寿寺にもたらされた。
  かつて本図は画面全体に横折れ、糊浮き等がみられたが、平成十八年(2006)度に修理が施された。ここに掲載するのは修理後の写真である。

阿弥陀六地蔵十羅刹女像図

阿弥陀六地蔵十羅刹女像図