当麻練供養図

西寿寺蔵(京都国立博物館寄託)

139.0cm×118.7cm 絹本著色 元和七年(1621)
 絵は、奈良絵屋町の絵師、竹坊藤吉、藤三の手になり、軸木中央部の内部が刳り抜かれ、袋中自筆の願文と50枚におよぶ六字名号が収められていた。これらについては、日沖敦子氏に詳細な研究がある(『アジア遊学』174「中世寺院の空間・テクスト・技芸」2014.所収)。日沖氏は、だん王法林寺所蔵の『当麻蜘供養記』(1625)の記述から、西寿寺開創に力のあった北出嘉兵衛の母で尼僧の妙尊が自らの衣を売って曼荼羅を作ることを願い、嘉兵衛らと相談、新たに当麻寺の来迎会のありさまを掛幅に描くこととし、竹坊藤吉、藤三父子に依頼、ふたりは当麻寺に出かけて境内や法儀の様子を写し取って作画したとする制作事情を明らかにしている。このDBで公開している、誕生寺所蔵の「当麻練供養図」と図様の違いをも見比べていただきたい。

当麻練供養図

当麻練供養図